胸のしこりを押すと痛い!
胸のしこりは
乳がんですか?

「胸のしこりが気になる…」「しこりを押すと痛い」
などとお悩みではありませんか?
胸のしこりを押して痛みを感じる場合、乳がんではなく良性の腫瘍である可能性が高いです。
乳がん(悪性腫瘍)の場合、押しても痛みを伴わないケースが多く、特に若い世代で痛みを伴う胸のしこりは、良性であることが大半です。
また、良性のしこりには、「乳腺症」や「乳腺線維腺腫」などさまざまな原因が挙げられますが、概ね表面が滑らかで押したときにコロコロと動く特徴があります。
一方、悪性腫瘍は硬くいびつな形をしており、周囲の組織と癒着してあまり動かないことが多いです。
ただし、しこりに痛みがある、または押したらコロコロと動くからといって、必ずしも良性というわけではありません。
自分で触れただけで悪性か良性かを見分けることは困難です。
しこりが触れて気になる場合は、自己判断は避け、早めに乳腺外科等の医療機関を受診することが大切です。
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乳がん以外のしこりとは?
8つの良性のしこり
乳房にできるしこりの多くは良性と言われています。
- 乳腺症
- 乳腺線維腺腫
- 乳腺のう胞
- 乳腺炎
- 脂肪腫・過誤腫
- 葉状腫瘍
- 乳管内乳頭腫
- 脂肪壊死
これらは、胸にしこりができたときに主に疑われる良性の病変です。
閉経前の世代では、しこりは良性であることが多いですが、閉経後の方では、閉経前の方と比べて悪性である可能性が高くなります。
以下では、それぞれの症状や特徴について紹介します。
①乳腺症 | ホルモンバランスによる生理的な変化や痛み
乳腺症は乳がんとは異なる疾患で、女性ホルモンの乱れによって生じると考えられています。
生理前に胸が張り、広範囲にぼんやりとしたしこりを感じたり、痛みを伴うのが主な特徴です。
30代〜50代の女性に多く見られ、生理が始まると症状が自然に軽快する傾向にあります。
しこりの感触は悪性の腫瘍と間違えられやすく、初期の乳がんと区別が難しいケースもあり、針生検(病理検査)などの詳しい検査を行う場合があります。
乳腺症と診断された場合は経過観察となり、基本的には特別な治療は必要ありません。
②乳腺線維腺腫 | 若い女性に多く、境界がはっきりした良性のしこり
乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)は、20代後半〜40代の若い女性に多く見られる境界がはっきりとした良性の腫瘍です。
触るとよく動き、表面が滑らかで弾力がある丸い形をしているのが大きな特徴です。
基本的にがん化するリスクが低く、医師のもとで経過観察をするケースがほとんどです。
ただし急激に大きくなる場合は、組織検査を行ったり、場合によっては手術による切除を行うこともあり、定期的な観察を続けることが大切です。
③乳腺のう胞 | 乳腺の中に液体が溜まった状態
乳腺のう胞は、乳腺(小葉)内に液体が溜まってできる良性の袋状の結節です。
サイズは数ミリから5〜6cmまでとさまざまで、幅広い年代の女性に見られる一般的な良性のしこりです。
触るとぷよぷよとした柔らかさや、ゴムボールのような弾力を感じるという特徴があります。
女性ホルモンの影響によって、のう胞が大きくなったり小さくなったりと変化することも珍しくありません。
サイズが大きくなって胸の張りなどを伴う場合は、注射器を用いて内部の液体を吸い取る処置を行います。
④乳腺炎 | 乳腺に炎症が起き、痛みや赤み、発熱を伴う状態
乳腺炎は、乳腺に母乳が滞ったり細菌が入り込んだりすることで強い炎症を起こした状態で、その結果しこりが生じることがあります。
主に授乳期の女性に多く見られ、乳房が赤く腫れて熱を持ったり、激しい痛みや高熱を伴うことが特徴です。
授乳期以外にも発症することがあり、しこりに近い硬さを感じることが少なくありません。
皮膚の赤みや腫れといった症状は炎症性乳がんと似ているため、医師の診察や画像検査、病理検査等を行うことで、それが乳腺炎であるかどうか診断します。
乳腺炎の治療には、抗菌薬の服用や、滞った母乳を取り除くためのマッサージなどを行います。
(※当院では母乳マッサージを行っておりません)
症状が重く内部に膿がたまっている場合には、注射器で吸引したり、切開したりする処置をすることがあります。
⑤脂肪腫・過誤腫 | 脂肪組織による柔らかく弾力のある良性のしこり
脂肪腫は、皮膚の下にある脂肪組織から発生する、柔らかくて弾力のある良性のしこりです。
脂肪組織のほかに乳腺組織などが混ざり合ってできる、柔らかいしこりを「過誤腫(かごしゅ)」とよびます。
どちらも指で触れるとふんわりとした感触があり、軽く押すと少しだけ動く傾向があります。
20代〜80代まで幅広い年齢層で発生し、乳がん検診などをきっかけに偶然見つかるケースもあります。
悪性化する危険性は低いため、基本的には特別な治療を行わずに経過観察を続けます。
マンモグラフィや超音波検査でしこりの境界線や脂肪成分を確認することで、診断することが可能です。
ただしサイズが大きく見た目に影響が出る場合や、悪性腫瘍と区別が難しい場合には手術による摘出も検討します。
⑥葉状腫瘍 | 再発しやすく急速に巨大化することがある腫瘍
葉状腫瘍は、滑らかな表面で少し弾力のあるしこりです。急速に大きくなる傾向があり、切除しても再発しやすいという特徴があります。
基本的に多くの場合は良性であるものの、悪性化するケースがまれにあるため注意が必要です。
また、針生検を行っても乳腺線維腺腫などとの区別が難しく、急激に巨大化する際は手術による完全な切除が行われます。
⑦乳管内乳頭腫 | 乳管内にできるポリープ状の腫瘍
乳管内乳頭腫は、乳管の中にできるポリープ状の良性腫瘍です。
乳頭から異常な分泌物が出ることが特徴で、分泌物には血液成分を多く認めます。血の混じった乳汁が出る原因として代表的な疾患です。
基本的には小さな腫瘍であるものの、まれに大きく成長して硬いしこりとして触れるケースもあります。
良性の病変に分類されますが、同じく乳管内に発生する悪性腫瘍との区別が難しく、悪性か良性かを正確に見極めるために、詳しい病理検査を行うこともあります。
検査によって乳管内乳頭腫であると診断が確定した後は、特別な治療は行わずに定期的な経過観察を続けます。
⑧脂肪壊死 | 胸を強く打撲した後にできる硬いしこり
乳房の脂肪壊死は、胸を強く打撲した際に脂肪組織が壊死し、硬いしこりになる良性の症状です。
しこりを表面から触るとゴツゴツとした硬さを感じるのが特徴です。
さらに皮膚や乳頭のひきつれを伴うこともあり、悪性の腫瘍と似た変化を示します。
しかし、悪性化するリスクは非常に低く、診断された後は特別な治療を行わずに経過を見守ります。
自己判断で脂肪壊死と乳がんを見分けることは難しいため、しこりを感じた時は専門医による検査・診断を受けてください。
良性のしこりと
悪性のしこりの違いは?
乳がんの主な特徴

乳房の良性と悪性のしこりには、硬さや可動性に明確な違いがあります。乳がんが疑われる悪性のしこりには、主に以下のような特徴が見られます。
- 石のように硬い
- 表面がいびつな形をしている
- 周囲の組織と癒着し、指で触れても動きにくい
- 乳頭からの出血がある
- 皮膚にへこみがある
一方で、良性の腫瘍は輪郭がはっきりとしているものが多く、滑らかで弾力があり、よく動くのが一般的です。
ただし、いずれの場合も自分で触れただけで、悪性か良性かを正確に見分けることは極めて困難です。
特に、閉経後など年齢が上がるにつれて悪性の確率は高まるため、しこりなどの異常に気づいた際は自己判断をしてはいけません。
乳がんを早期に発見するためにも、乳腺外科を受診しマンモグラフィや超音波検査を受けましょう。
胸のしこりのセルフチェック
乳房のセルフチェックの方法を紹介します。
入浴時、胸を洗うときに石鹸を手にとり、乳房を手のひら全体で丸くなでるように洗いましょう。手のひらにしこりを感じるかどうか、ゆっくり洗ってください。
乳頭を軽くつまんで異常な分泌物が出ないか、あわせてチェックしましょう。
少しでも違和感があれば自己判断を避け、専門医へ相談してください。
定期的に検診を受けることが
大切です
乳がんは初期症状が現れにくく、自分で小さな異変を見つけることは困難です。
乳がんの早期発見・早期治療のために、定期的に医療機関で専門医の検診を受けましょう。
2年に1度を目安に、医療機関でマンモグラフィや超音波検査を受けることが望まれます。
専門的な検査であれば、自覚症状のないしこりや微細な病変まで詳しく確認できます。
病気が見つかった場合であっても、早期発見であれば治療の選択肢が広がります。
体への影響を最小限に抑えるために、忙しい日々の中でも定期検診の予定を立てましょう。
胸にしこりがあるときに
乳腺外科を受診する目安
胸にしこりを感じた場合は自己判断で放置せず、早急に乳腺外科を受診してください。
「授乳中ではないのに硬いしこりがある」
「急激に大きくなったしこりがある」
「乳頭から血の混じった分泌物が出る」
「皮膚にくぼみができる」
など、これらの症状が見られたらすぐに専門医へご相談ください。
当院のマンモグラフィ検査は、すべて女性技師が対応いたします。超音波検査も女性技師希望の方に対応いたしますので、お気軽にお申し付けください。