不正出血

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不正出血とは?

右を向く女性

不正出血とは、月経以外のタイミングで性器からの出血が起こる状態を指します。

通常、健康な女性の出血は月経や排卵時の出血に限られるため、不自然な兆候として捉えられます。

不正出血の症状には個人差があり、下着にわずかに付着する程度から、長期間続くもの、赤色や茶色など色もさまざまです。

不正出血の多くはホルモンの乱れによって生じますが、中には子宮頸がんや子宮体がんといった重い病気が潜んでいる可能性も否定できません。

自身の判断で放置せず、不正出血が長く続いたり違和感を覚えたりした場合は、一度医療機関で検査を受けてください。

不正出血の特徴は?
茶色い出血と鮮血の違い

不正出血の色調は、血液が酸化した時間によって茶色〜鮮血まで変化するのが特徴です。

茶色い状態は古い出血が排出される際に見られる色調で、排卵期等の自然な現象も多いです。しかし、子宮内膜増殖症や子宮体がんなどの病気が潜む可能性も否定できません。

鮮やかな赤色は、まだ発生したばかりの新しい出血です。

鮮血が頻発する際は子宮頸管ポリープや子宮頸がんといった疾患が疑われるほか、妊娠に関連して生じるケースもあるため、自己判断を避けて医療機関で詳しい検査を受けることが必要です。

心配いらない不正出血とは?
少量で1日だけなら緊急性は低い

不正出血でも、少量かつ短期間に収まるなら生理的な現象として緊急性は低いです。具体的には、次のような場合は大きな心配はいらないでしょう。

  • 月経前のわずかな出血
  • 生理後の酸化した茶色い出血
  • 排卵期のホルモン変化による不正出血
  • 排卵前後の粘液に混じる少量の出血
  • 1日で止まる出血

上記の状態は自然な反応といえるため、過度な不安は必要ありませんが、不正出血が長引いたり強い腹痛を伴ったりする際は注意してください。

自身の判断で放置せず出血の様子を記録しておくようにしましょう。また、閉経後の出血は子宮体がんなどの病気のサインである可能性があるため、婦人科へ相談してください。

不正出血の種類

器質性出血

器質性出血は、生殖器に生じた具体的な疾患や異常が原因で引き起こされる出血です。子宮や卵巣、腟といった部位にトラブルが生じているサインとして現れます。

器質性出血の代表的な病気には以下があげられます。

  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 腟炎
  • 子宮腟部びらん
  • 子宮頸管ポリープ
    など

組織自体に不調があるため、早めに医療機関へ相談することが大切です。

機能性出血

機能性出血とは、特定の病気や妊娠が原因ではなく、ホルモンの作用によって生じる出血です。

脳下垂体や卵巣が関わる分泌調整の不調が主な要因で、その背景には、過度なストレスや疲労が潜んでいることが多いです。

特に、身体が大きく変化する思春期や更年期には、よく見られる症状の一つです。規則正しい生活習慣を心がけることで、機能性出血の発生を抑えられます。

中間出血

中間出血は、月経周期の途中にあたる排卵期に発生する生理的な出血です。「排卵期出血」「中間性出血」などともよばれます。

病気によるものではないため過度な心配はいりません。

基礎体温を記録して、低体温期から高体温期へ移行するタイミングと重なるなら正常な反応といえます。

出血量はごくわずかであり、数日以内におさまるのが一般的です。

その他の出血

その他の出血には、妊娠に関連するものや身体的な傷、月経パターンの変化などが含まれます。

例えば、受精卵が着床する際の「着床出血」や、妊娠期間中の出血も不正出血の一種です。性交などによって腟が傷ついてできた外傷も、不正出血の原因となり得ます。

また、月経の量が増える「過多月経」や出血が長引く「過長月経」なども、不正出血のひとつであり軽視してはいけません。

幅広い要因が考えられるため、些細な異変であっても注意深く確認することが大切です。

不正出血の原因

①ホルモンの作用による原因(排卵期出血、無排卵性出血など)

ホルモンの変化は、月経周期以外に起こる出血の代表的な要因です。具体的な原因は以下のとおりです。

  • 排卵期出血
  • 無排卵性出血
  • 更年期や思春期のホルモンの変化
  • 過度なストレス、過労
  • 急激な体重増減
  • 無理なダイエット
  • 睡眠不足

月経は、女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの分泌により調整されています。しかし、排卵期に女性ホルモンの分泌量が急激に減少すると、子宮内膜が剥がれて一時的に出血が見られます。

また、ストレスや環境の変化、過度なダイエットなどでホルモンが影響を受け、排卵がうまくいかないことで無排卵性出血が引き起こされるケースも珍しくはありません。

特に、40代後半は不調が増えやすく、悪性腫瘍の好発時期とも重なるため不正出血に違和感を覚えたり、症状が続いたりした際は医療機関へ相談しましょう。

②炎症による原因(菌に感染して起きる腟炎など)

性感染症や雑菌の繁殖によって生じる炎症は、粘膜を傷つけ不正出血を誘発します。炎症による不正出血の原因として、具体的に以下があります。

  • クラミジア
  • 淋菌
  • トリコモナス腟炎
  • 梅毒
  • 尖圭コンジローマ
  • 雑菌やウイルスの感染

腟内は自浄作用で清潔に保たれていますが、過労や性交渉によって、身体の防御機能が低下する場合があります。

防御機能が低下して細菌が増殖すると組織が脆くなり、出血に至ります。

③子宮の病気による原因(子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど)

子宮内に生じた良性の腫瘍や悪性疾患が原因で、月経とは異なる出血が引き起こされます。考えられる主な原因は次のとおりです。

  • 子宮筋腫:経血量が増えたり月経が長引いたりする、中間期出血が増える
  • 子宮内膜ポリープ:経血量が増えたり月経が長引いたりする、中間期出血が増える
  • 子宮頸管ポリープ:性交渉などで頻繁に出血を繰り返す
  • 子宮体がん:初期段階から不正出血が見られる
  • 子宮頸がん:初期症状がほとんどない
  • 子宮内膜増殖症:放置するとがんへ移行するリスクがある
  • 子宮腟部びらん:がんの初期病変と見分けがつきにくい

子宮内にこぶができる「子宮筋腫」や「子宮内膜ポリープ」は、不正出血を引き起こす要因となります。「子宮体がん」については、初期段階から不正出血が見られることが多く、特に子宮体がんなどの好発時期である更年期前後の方は注意が必要です。

また、若年層に多い「子宮頸がん」は初期症状に乏しいものの、進行に伴い茶色いおりものや出血が徐々に増加する可能性があります。

「子宮頸管ポリープ」は物理的な刺激に弱いため、性交渉などで頻繁に出血を繰り返す傾向があり、「子宮内膜増殖症」は放置するとがんへ移行するリスクがあるため精密検査は欠かせません。

自己判断は病状を悪化させる恐れがあるため、些細な異変であっても慎重に判断しましょう。

内部リンク「おりもの」

④卵巣の病気による原因(卵巣腫瘍、卵巣機能不全など)

卵巣のトラブルはホルモンが乱れるだけでなく、腫瘍が原因で出血を引き起こす場合があります。不正出血を起こす卵巣の病気は主に次の2種類です。

  • 卵巣腫瘍:ホルモンを産生する腫瘍などの影響で、不正出血を招くことがある
  • 卵巣機能不全:ストレスや加齢の影響で、無月経や周期の乱れが生じる

卵巣腫瘍は良性、悪性、境界悪性腫瘍とさまざまありますが、自覚症状はないことが多く、診断が難しいです。

また、卵巣機能不全は10代〜50代まで幅広い層に見られ、世代によって現れる不調が異なる点も大きな特徴です。

そのほか、甲状腺の病気や薬の影響で不正出血を発症する場合もあります。

一方で、原因となる疾患が見当たらないケースの多くは、体重減少やストレスなどがホルモン中枢に影響して、出血を起こしていることがあります。

⑤腟の病気による原因(萎縮性腟炎など)

腟の粘膜に生じる炎症や環境の変化が、不正出血を引き起こす直接的な原因となります。不正出血を起こす腟の病気には以下があります。

  • 萎縮性腟炎
  • 細菌性腟症

萎縮性腟炎は、閉経に伴いエストロゲンの分泌が減少することで発症します。

女性ホルモンが不足すると腟や外陰部の粘膜が脆弱になり、わずかな刺激でも炎症を招きやすくなるのが特徴です。

細菌性腟症は、腟内を酸性に保つ乳酸菌の働きが弱まり、菌のバランスが乱れることで起こります。

雑菌が増殖すると粘膜がダメージを受け、不正出血やおりものの異常が生じる事態も珍しくありません。

加齢や体調の変化によって腟の自浄作用が低下した際は、注意が必要です。

⑥妊娠中の原因(異所性妊娠、流産など)

妊娠に関連する不正出血は、生理的な現象から緊急を要する異常まで多岐にわたります。不正出血を伴う妊娠中の原因は次のとおりです。

  • 受精卵の着床に伴う出血
  • ホルモンの急激な変化
  • 流産
  • 胎盤剥離
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)
  • 絨毛膜下血腫

着床時の出血などは自然な反応ですが、中には、命に関わる深刻なケースも認められます。

例えば、「異所性妊娠」は着床部位の破裂により、腹痛や大量出血を招く恐れがあり非常に危険です。

妊娠検査薬が陽性で、激しい痛みや鮮血が見られる場合は早急な受診が欠かせません。

妊娠中の不正出血は、胎児や母体の安全を守るために専門医に相談して判断を仰ぎましょう。

不正出血は
低用量ピルやストレスが
原因で起きることもある

不正出血は、一時的なホルモンの変化で発生することが多いです。そのため、低用量ピルの使用や心身のストレスが原因で不正出血を起こすことがあります。

特に、低用量ピルの服用を開始した初期のころは不正出血の症状が見られますが、内服時間を一定にして、服用を継続することにより、身体が慣れて症状が落ち着いていくケースが多いです。

また、過労や精神的な負荷を感じると、体内で「コルチゾール」が分泌され、プロゲステロンの生成を妨げます。

体内の排卵をコントロールする「視床下部」は刺激に敏感なため、睡眠不足やブルーライトも排卵障害を招く要因となり得ます。

不正出血が続いたときの
受診の目安

問診風景

不正出血は、たとえ少量であっても、一度でも確認された時点で医療機関の受診を検討することをおすすめします。

不正出血の原因の中には、大事に至らないものもありますが、具体的な原因や出血部位を自分で特定するのは困難であり、重大な疾患が潜んでいる可能性も否定できません。

特に、次のようなケースは緊急性が高い状態のため、受診を急いでください。

  • 多量の鮮血が出る
  • 2週間以上症状が続く
  • 強い下腹部痛を伴う
  • 閉経後の出血

早期発見・早期治療できれば、治療の選択肢が広がり、健康を維持しやすいため、月経に慣れている方も軽視するのではなく常に慎重に考えましょう。

不正出血の検査方法

不正出血の原因を特定するため、医師は問診の結果に基づき、複数の検査を組み合わせて実施するのが一般的です。不正出血の検査方法には主に以下があります。

検査方法特徴
子宮頸がん検査子宮頸部の細胞を採取し、がん細胞や前がん状態の有無を顕微鏡で確認する検査
子宮体がん検査子宮内膜の組織を一部採取して、内部に悪性細胞がないかを詳しく調べる検査
超音波検査子宮や卵巣の形状を画像で映し出し、筋腫や腫瘍がないか診る検査
おりもの検査腟内の分泌物を採取して、細菌バランスの乱れや炎症の程度を把握する検査
性感染症検査クラミジアや淋菌といった感染症の有無を調べ、炎症の原因を特定する検査
妊娠反応検査尿中のホルモンを測定し、着床や妊娠に伴うトラブルの可能性を判定する検査
血液検査(ホルモン検査など)女性ホルモンの分泌量から周期の乱れを測り、貧血の度合いも調査するための検査

病気やホルモン異常を早期に捉えるためには、多角的な視点でのアプローチが不可欠です。

不正出血の治療方法

不正出血の治療は、検査で特定された原因に合わせて適切な処置を選択して行います。

ホルモンの乱れが要因であれば、軽度な場合は生活習慣の改善を促しつつ経過を観察します。

また、出血が長引く際や貧血の恐れがあるときには、ホルモン剤を用いて周期を整えるのが一般的です。

そのほか、腟炎などの炎症が認められるケースでは、抗生剤を投与して原因菌の増殖を抑えます。子宮頸管ポリープは状態に応じて切除し、悪性腫瘍の疑いがある際は速やかに専門の医療機関へつなぎます。

不正出血でお悩みの方は
当院へご相談ください

不正出血は身体からの重要なサインであり、早期に専門医の診察を受けることが大切です。

当院には、日本産科婦人科学会産婦人科専門医が在籍しており、丁寧な説明と迅速な診断に努めています。

出血が生じている最中に来院すると原因の特定がスムーズに進むため、「出血がおさまってから」と考えず、お早めにご相談ください。

専門スタッフが不安に寄り添い、治療の知見に基づいた対応を提案いたします。

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