女性のライフステージの変化に寄り添う更年期外来
40代を過ぎると、女性の体は女性ホルモンの変化に伴い、
これまでに経験したことのないような心身のゆらぎを感じることがあります。
たけべ乳腺外科クリニックに併設された婦人科診療では、こうした変化を一時的な不調として我慢するのではなく、これからの人生をより豊かに、自分らしく過ごすための大切な準備期間として捉えています。私たちは、地域の女性の皆様が生涯を通じて健やかに歩み続けられるよう、
医学的な知見に基づいた包括的なサポートを提供いたします。
40代からの心身のゆらぎを正しく知る

更年期とは、閉経を挟んだ前後約10年間の時期を指し、卵巣の働きが徐々に変化することで女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少していきます。
このホルモンの大きな変動は、自律神経の働きにも影響を及ぼし、のぼせや発汗、倦怠感、不眠、イライラ、あるいは急な気分の落ち込みといった多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。
更年期は誰にも訪れますが、更年期障害はすべての女性が経験するとは限りません。何らかの症状を感じるのは約70%、日常生活に支障をきたすような症状の重い人は約20%といわれます。
このような個人差が生まれるのは、「女性ホルモンの減少」に加えて、真面目な努力家などその人が持っている「性格や気質的要因」、さらに親の介護や子の思春期・独立、職場の状況、人間関係のストレスなどこの時期に起こりやすい「環境的要因」が複雑に絡み合うためです。
健やかな毎日を取り戻すための診療アプローチ
更年期の不調に対するアプローチは、決して一つではありません。
当科では、医学的な根拠に基づいた選択肢の中から、
患者さまのご希望や体質に合わせて最適な方法を組み合わせて提案いたします。
日本産科婦人科学会認定の産婦人科専門医による相談
当科での診療は、日本産科婦人科学会認定の産婦人科専門医としての知識と経験を有する医師が担当いたします。
更年期外来では、単に薬を処方するだけでなく、現在の症状が更年期によるものなのか、あるいは他の疾患が隠れていないかを専門的な視点から慎重に判断いたします。
専門的な知見に基づいた正確な診断を行うことで、患者さまお一人おひとりに適した投与計画や生活のアドバイスを行うことが可能です。対話を大切にし、納得いただいた上で治療を進めていくプロセスを重視しています。
ホルモン補充療法をはじめとする多様な選択肢
更年期の症状を和らげる代表的な方法として、不足し始めたエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)があります。
この方法は、ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状に対して、高い改善効果が期待できるとされています。当科では、患者さまの健康状態や生活スタイルを考慮し、貼り薬や塗り薬、飲み薬など、継続しやすい形態を選択して提案いたします。
また、体質全体を整える漢方薬による治療も、重要な選択肢の一つとして取り入れています。漢方薬は、特定の症状だけでなく、冷えや重だるさ、気分のゆらぎといった全身のバランスを整えるアプローチに優れています。西洋医学的なホルモン療法と漢方薬、さらには生活習慣の改善に向けた助言を組み合わせることで、多角的な視点から日々の生活を快適にするための道を共に探っていきます。
未来の健康を守るための
生涯メンテナンス
更年期外来の役割は、今ある症状を抑えることだけではありません。
10年後、20年後の健やかな生活を見据え、
将来の健康リスクを抑えるためのメンテナンスを行う場所でもあります。
心を解きほぐすソシオエステティックの役割
医学的なアプローチに加え、当院ではソシオエステティックによるケアを導入しています。
更年期の不調は肉体的なものだけでなく、精神的な緊張やストレスを伴うことが多いため、専門スタッフによるトリートメントで心身をリラックスさせることは、自律神経の安定を助ける一助となります。
穏やかな空間で肌に触れ、ゆっくりとお話を伺う時間は、日々の忙しさから解放され、自分自身を慈しむための大切なひとときです。相談とケアを融合させ、女性の生涯にわたるウェルネスを支える窓口として、皆様の日常に優しく寄り添います。
主なリスクと副作用
- ホルモン補充療法(HRT)などを行う場合、一時的な乳房の張り、不正出血、吐き気、むくみなどが生じることがあります。また、極めて稀ではありますが、血栓症のリスクが医学的に報告されています。
- 漢方薬においても、体質により胃の不快感や、稀に偽アルドステロン症などの症状が現れる場合があります。
- すべての方法がすべての症状に即効性を持つわけではなく、体質により効果の現れ方には個人差があることをご理解いただ
く必要があります。
当科では安全な診療のために、定期的な問診や検査を徹底しています。
受診を迷われている皆様へ
更年期の不調は、人によって症状の現れ方も重さも全く異なります。誰にでも訪れる時期だからと我慢してしまったり、どこに相談すればよいか分からず一人で悩んでしまったりする方も少なくありません。
しかし、適切なケアを受けることで、毎日の生活はずっと穏やかで快適なものに変わる可能性があります。
私たちは、女性がライフステージの大きな変化を前向きに受け入れ、自分らしい輝きを保ち続けられるよう、全力でサポートいたします。少しでも心身の変化を感じられたら、お気軽にご相談ください。たけべ乳腺外科クリニックの婦人科診療は、皆様の生涯にわたる健康管理のパートナーとして、誠実な診療を続けてまいります。
更年期外来に関する
よくある質問
Q生理が終わる前でも相談して良いのでしょうか
はい、もちろんです。閉経を迎える数年前からホルモンの変化は始まっており、生理が不規則になったり、原因不明の体調不良が現れたりすることがあります。プレ更年期と呼ばれる時期の不調に対しても、早期に対応することで生活の質を維持しやすくなります。少しでも心身の変化を感じられたら、お気軽にご相談ください。
Qホルモン補充療法(HRT)はどのような検査を行ってから始めますか
治療を開始する前には、子宮がん検診と乳がん検診を行ったうえで血圧測定や血液検査、などの状態確認を行います。また、当科では全身の健康状態を考慮しながら投与計画を立てていきます。メリットとリスクを丁寧にご説明し、納得いただいた上で、お一人おひとりに適した内容で進めてまいります。
Q漢方薬だけでも症状は改善しますか
漢方薬は全身のバランスを整えるアプローチに優れており、それだけで症状が和らぐ方も多くいらっしゃいます。ホルモン療法に抵抗がある方や、比較的症状が穏やかな方にとっては有効な選択肢の一つです。当科では患者さまの体質を見極め、適切な漢方薬を提案いたします。西洋医学的なアプローチと組み合わせることで、相乗効果を目指すことも可能です。
Qホルモン補充療法(HRT)のリスクについて教えてください
ホルモン補充療法は更年期の症状改善のみならず骨や血管にもよい効果があり、更年期以降の健康増進に大きな役割を果たすと考えられています。 そのリスクにまず静脈血栓症があげられますが、天然型エストロゲンの経皮吸収タイプの薬剤を使うことが多くなっており、リスクは上昇しないことがわかってきています。また乳がんのリスクが心配な方も多いと思いますが、子宮を筋腫などの病気で摘出していらっしゃる方はエストロゲンのみの投与となり、かえって乳がんリスクは減るという報告があります。子宮がある方は子宮体がんを予防するため黄体ホルモンを併用する必要があり、黄体ホルモンの種類、量、期間によりリスクはかわります。 天然型の黄体ホルモン剤も2021年発売されており、リスクを上昇させないという報告があります。 当院ではしっかりした乳がん検診を併用しながら、ホルモン補充を行えるメリットがあります。